この記事は、tv-beeに掲載されたものを許可を得て再掲載しています。
ほとんどの映画は、コンピューターを使って映像を作り出していると思われている方もいるかもしれません。ですが、それ以外にも実写やモーションキャプチャーなど、様々な方法で特殊効果を生み出しています。昔は実写が主流でしたし、この記事でご紹介する映画の多くは実写で作られています。この記事を読み進めていけば、普段見ることのできない特殊効果の裏側が分かるかもしれません。
ジュラシックワールドに登場するヴェロキラプトル
映画に登場するヴェロキラプトルはどうしてあんなにリアルな動きをしているんだろう、という疑問への答えは、"CGを使ったから" でしょう。そしてそれに加えて、実際の人間が恐竜になりきってポーズをとったり動いたりしたおかげで、よりリアルさを表現できたのです。
恐竜のフリをして走り回ったり、人間に向かって吠えたりするのはさぞかし楽しかったでしょうねぇ。こういうアナログな方法こそが映画を完成させるための最善の方法であり、できれば毎回やってほしいものです。
ジュラシックパークのティラノサウルス
映画 "ジュラシック・ワールド" に登場するヴェロキラプトルがかっこいいと思った人は、この作品を見るまで結論を急がないでください。これは映画 "ジュラシック・パーク" のセットの写真で、議論の余地なくCG効果よりもめちゃくちゃクールです。
映画に登場するティラノサウルスは、実物大のロボットを製作して動かしました。映画会社が映画の真の魅力を表現するためにここまで情熱を注いでいることに、我々は感銘を受けるほかありません。
ファントムメナスでのポッドレースシーン
映画 "スター・ウォーズ ファントム・メナス" のポッドレースのシーンは、まさに芸術でした。本当に文字通りの意味で。これはセットではなく、小さな模型がカメラアングルや編集の助けを借りてシーンに命を吹き込んだのです。
このセットを作るために何十万本もの綿棒を先をカットして配置し、扇風機からの風を送って動きをつけ、観衆が動いているようリアルに見せたのです。また、キャラクターの模型を配置することで、異世界感を高めています。
"ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー" のロケット・ラクーン
ロケット・ラクーンは実在します。少なくとも、そう信じたいのです。ですが、もちろんロケット・ラクーンは実在しないので、シーンを撮影するために代役を使う必要がありました。
その代役とは、同作品でクラグリンを演じているショーン・ガンです。ロケット・ラクーンの声を担当するブラッドリー・クーパーがモーションキャプチャーで出演しないのは、技術的には単なる代役ではないからです。彼が両方のキャラクターを演じられることにどれほど満足しているかをご覧ください(笑)
"フォレストガンプ" のダン中尉の脚
映画に登場する脚のない人や腕のない人を、どうやって撮影しているのかと疑問に思う人がいるならば、映画 "フォレストガンプ" のダン中尉の写真を見てください。
どうやら、必要なのは青いタイツだけのようです。これはグリーンスクリーンと同じ技術ですが、グリーンではなくブルーを使うことにしたのです。このような効果は、おそらくあなたのお家でもできますよ。
下水道のセット
この下水道の形についていつも不思議に思ってました。少なくともテレビや映画で紹介されているものと比べると、アメリカのどこかに実在する下水道としてはあまりにも複雑すぎて意味をなさないように思えるからです。
この写真のようなリアルなセットを作ることができるのは素晴らしいことです。外から見ると、大きな木製の遊び場にしか見えませんが。
スターウォーズの宇宙船
映画 "スター・ウォーズ" シリーズで使用された小さな模型セットは、ポッドレースのスタジアムだけではありません。実際にはもっとたくさんあるのです。全シリーズにわたって、特に初期の作品では特殊効果ではなく技術的な効果が大量に使われていました。
この写真に写っているのは、映画に登場する宇宙船を制作している技術さんたちの姿です。映画では非常に大きな船でしたが、スクリーン上での見え方と比べると、模型はかなり小さことが分かります。
E.T. からの目線
映画 "E.T." では、エリオットがE.T.を連れてハロウィーンの街を歩くシーンがありますが、E.T.が宇宙人であることがバレないよう、変装させなければいけませんでした。
この写真では、E.T.にかぶせたシーツの穴から見えるE.T.の目線を撮影しているところです。これは同じようなシーツをカメラに貼り付けることで解決したようですね。
ゴッドファーザーの顎のライン
マーロン・ブランドは、映画 "ゴッドファーザー" の中で、崩れた形の顎にする必要がありました。多くの人が、口の中に脱脂綿でも入れたのだろうと思っているようですが、それではまともに話すことができませんし、とても自然には見えません。
脱脂綿を入れるようなことは簡単にできますが、このような場合には入れ歯を作ったほうがはるかに理にかなっています。この映画でも、その方法を使ったのです。
"バックトゥーザフューチャー PART2" に登場するジャケット
映画 "バック・トゥ・ザ・フューチャー" の3部作は、実用的な効果が多用されています。未来を舞台にした映画なのに、未来的な技術は一切使われていないんです。だって80年代に作られた映画ですから。
マーティが着ている自動乾燥ジャケットには、その効果を作りだすために多くの人が関わっていました。この写真は、その効果を撮影するためにスタッフ達が細心の注意を払って作業している様子です。きっとこの効果を作り出すのはそう簡単なことではなかったはずです。
"バックトゥーザフューチャー PART3" の列車のシーン
特殊効果は、時にものすごいお金をかけたのにものすごく安っぽく見えてしまう時があります。実用的な効果を使い、撮影後の編集で手直しした方が良い場合もあります。この映画でも、まさにその手法が使われました。
本物の列車に追われるのではなく(非常に危険で効率的ではないので)、小さな列車の模型に火をつけて撮影することにしたのです。
"パルプ・フィクション" のブリーフケース
映画 "パルプ・フィクション" では映画に登場するブリーフケースの中身を見ることはできませんでしたが、もしその中身を知りたいと思っていたのでしたら、まだチャンスはありますよ!今さら中身を見ても驚かないかもしれませんが、楽しいことには変わりありません。
なんとブリーフケースの中には電球が入っていて、開けると点灯する仕組みになっています。考えてみれば当たり前のことですが、特殊効果ではなく、役者がブリーフケースから漏れ出るまばゆい光を見つめることによってシーンが完成したのです。
"レッド・オクトーバーを追え!" の潜水艦
映画監督やプロデューサーは、自分たちの映画をできるだけリアルに見せるために、さまざまな特殊機材を作っています。例えば、映画 "レッド・オクトーバーを追え!" の潜水艦を思い出してください。
この映画では、本物の潜水艦は使わず、大きなアニマトロニクス(ロボット)のセットを作ることによって本物の潜水艦のように見せたのです。陸上に潜水艦を作ることで、映画の世界観を再現することができました。
"コール・オブ・ザ・ワイルド" の犬
映画 "ジュラシック・ワールド" のヴェロキラプトルと同様、映画 "コール・オブ・ザ・ワイルド" に登場する犬も、俳優が演じた映像にCGを乗せています。それによりシーンに合った犬の動きにできるのです。
この映画に登場する犬を演じたのは、モーション・アーティストのテリー・ノタリー氏です。この画像では、後に "バック" と呼ばれるようになるCGオーバーレイ技術の基礎を築いた様子を見ることができます。
"スターウォーズ" のBB-8
映画 "スターウォーズ" の初期の作品では、どこまでがCGなのか分からないほど実用的な効果がふんだんに使われています。その中のひとつが、"スカイウォーカーの夜明け" で登場するロボットのBB-8です。
この小さなロボットを動かすために、グリーンスクリーンの服を着た人がグリーンスクリーンで覆われた道具を使ってBB-8を押したのです。これによって、CGとは思えないほどBB-8が本当に動いているかのようなリアルさを表現しました。
"ベイビー・ドライバー" の本当のドライバー
グリーンスクリーンや特殊効果を使うのではなく、実際に人が車を運転しているシーンを撮影する場合、事故を起こさないよう注意しながら運転、かつ演技をするのはかなり危険です。
そこで、映画 "ベイビー・ドライバー" で使われた車には、こんな仕掛けが施されていました。俳優が車の中で演技をしている間、別の人に上から車を運転してもらっていたのです。
"アベンジャーズ(インフィニティー・ウォー)" のサノス
映画に登場する巨大なサノスをどうやって撮影したのか不思議に思ったことはありませんか?この舞台裏の写真を見れば、そのすべてがわかるはずです。
モーションキャプチャーだけでなく、大きな棒とサノスの写真を人間に取り付けることで、サノスの大きさを正しく再現するようにしました。これは、映画制作者が撮影後の編集(ポストプロダクション)でサノスにどのようにCGを乗せるかを分かりやすくするためだけではなく、他の俳優がサノスと話すときにどこに目線を合わせればいいかを知るのにも役立ちました。
"シャッターアイランド" の島
映画の中で巨大な架空の場所が出てきても、なんだかCGで作られたとは思えないものもありませんか?実は、映画 "シャッターアイランド” をはじめとする多くの映画で、そのような傾向が見られます。
この写真を見ると、セットがどれだけリアルに作られているかが分かりますね。シャッターアイランドで登場する精神病院は、細部にまでこだわって作られており、まるで現実世界にあるような建物に見えます。
"シャイニング" のセット
映画の中に登場する架空の場所が、巨大なミニチュアのセットになっているのはシャッターアイランドだけではありません。実際には、ミニチュアと知って驚くようなセットがたくさんあります。
この作品には非常に驚かされました。我々には、この映画で登場する生け垣の迷路とその敷地が実際に存在する場所のように見えたのですが、それは間違いだったのです。
"ターミネーター2 ジャッジメント・デイ" のセット
先ほどの写真が最後ではありません。往年の名作映画の多くは、セットでの撮影だと気づかないほどリアルなシーンが多く存在しています。例えば、映画 "ターミネーター2 ジャッジメント・デイ" などです。
この写真では、技術さん達が精巧なセットを作り、車の模型を配置している様子を見ることができます。考えれば考えるほど、セットを使わなければならないことは理解できますが、まさか本当にこのシーンがミニチュアになるとは思ってもみませんでした。
"パイの物語" に登場する虎
この記事の序盤でダン中尉の話をした際、グリーンスクリーン技術は青色でも出来るという話をしました。どんな色でも可能なようですが、一般的には青か緑で、それが名前の由来になっています。
映画 "パイの物語" でも、青色が使われています。本物の虎ではなく、その代わりに青いぬいぐるみを使ったのです。
"アベンジャーズ エンドゲーム" のワンシーン
この舞台裏写真では、ブルース・バナーとロケット・ラクーンが、ソーをタイムヘイストに勧誘しているシーンを垣間見ることができます。右側にはソーと、タイカ・ワイティティ演じるコルグの代役が写っています。
この写真を見れば、どのようにして彼らのビジュアルを実現したのかがよくわかります。コルグはモーションキャプチャー技術を使用していますが、ソーのビール腹は完全に特殊メイクです。腹筋も含めて見事なリアルさです。
アベンジャーズに登場する他のキャスト達
さて、アベンジャーズの他のキャストはどうかというと、実際には衣装を着ずに、モーションキャプチャー・スーツを着て撮影に臨んでいる人もたくさんいます。
コルグやソーのほかにも、スパイダーマンやウォーマシン、ハルクなどがモーションキャプチャー・スーツを着用しています。最近の映画でのアクションシーンは、従来の衣装ではなかなか難しいのでしょう。
"透明人間" に登場する透明人間
映画 "透明人間" では、死を偽装し、元カノに嫌がらせをするために透明人間になる男が登場します。ひどい男でしょう?まあ、それでも、あたかも透明人間がいるかのように撮影する方法を考える必要がありました。
それは実は驚くほどシンプルなものでした。全身にグリーンスクリーンスーツを着て撮影し、ポストプロダクションでそれを編集するだけでした。多くのYouTuberやTwitch配信者は、レコーディングスタジオの背景を編集するために同じ技術を使っています。
タイタニックが沈む大西洋
タイタニック号が映画の最後に海に沈むことは誰もが知っていることでしょう。この映画は実話に基づいたものですからね。ですが、どうやってキャスト達が海に沈んでゆくところまで撮影したのでしょうか?
この写真を見ると、その答えが見えてきます。みんなが溺れるシーンを撮影できるよう、巨大なプールを作ったのです。それにより水の温度をコントロールすることができ、水中での長時間の撮影やリテイクを、怪我などの心配なく行うことができたのです。
"ブレードランナー2049" の背景
背景を変えるのに必ずしもセット全体にグリーンスクリーンを使う必要はありません。2017年に公開された映画 "ブレードランナー2049" の写真を見れば、本当にキャストのためだけにグリーンスクリーンが使われていることが分かります。
なぜかというと、背景は静止しているし、何も変化しないため、オーバーレイを入れるだけで済むからです。ですがキャストが動く場合は、オーバーレイを入れる場所の調整が難しく、歩く場所にグリーンスクリーンのパネルを設置することで、適切な調整ができるようになります。
"ナイブズ・アウト" のセット
映画 "ナイブズ・アウト" ではほとんどのシーンがセットで撮影されているため、スタジオの様子が写り込まないよう注意しながら撮影する必要がありました。眼鏡をかけているキャラクターがいる場合、その撮影は少し大変なようです。
彼女がつけているメガネには反射による映り込みの恐れがあるので、家の中にあるものに光を反射させ、セットが映り込まないようにする必要があります。そのため、メガネに窓が反射するようにしたのです。
”メン・イン・ブラック" に登場するチャッキー
映画 "メン・イン・ブラック" では、男の頭の中に小さなエイリアンがいて、男の行動を操っているというシーンがあります。男の正体はエイリアンが操縦するロボットで、そのエイリアンはチャッキーと名付けられています。
このエイリアンは、小さな模型だと細かな動きから口パクまで表現できないことがわかったので、大きな模型を作ることにしました。適切なカメラアングルと編集で、まるで男の頭の中にいるかのように撮影しました。
"ムーラン (2020)" の馬
実写映画 "ムーラン" では、ムーランが吹雪の中、馬に乗って走る様子を実際の現場で撮影する方法がありませんでした。そこで彼らはとても素晴らしいアイデアを思いついたのです。
本物の馬を使う代わりに乗馬用の機械を使い、それに緑色の布をかけて、グリーンスクリーンと巨大な扇風機の前に置いたのです。そしてちょっとした編集で、まさにリアルなシーンへと変貌させたのです。
"アイ・アム・レジェンド" に登場するゾンビ犬
映画 "アイ・アム・レジェンド" は、科学者が猛威を振るうウイルス(今聞くとかなりリアルですね)の治療法を探す物語です。このウイルスは、犬だけではなくあらゆるものをゾンビのような生き物に変えてしまいます。
この犬はそのウイルスに感染し、非常に獰猛になっている設定です。そして、ウィル・スミス演じるキャラクターを襲っているように見せるために、誰かに派手なグリーンスクリーンスーツを着せて、犬の頭の模型を使ってスミス本人と格闘させる必要があったのです。
"スペース・ジャム" のキャラクター
基本的にこの映画では、アニメーションに命を吹き込むために、すべての撮影でグリーンスクリーンを使用しました。しかしそれだけではなく、マイケル・ジョーダンが一人で演技しているように見せないような工夫も必要でした。
そのためには彼が話しかける相手の代役を立てなければなりませんでした。その人たちもグリーンスクリーンのスーツを着ているので、編集してもジョーダンはあたかも架空のキャラクターと話しているように見せたのです。
"マトリックス" の銃撃戦
キアヌ・リーブスが銃弾を避けながら何度も側転する映画 "マトリックス" の銃撃戦は、高額な製作費をかけたのもあり、面白かったですねぇ。この巨大なセットをご覧ください。
カメラは台車に乗せ、キアヌはワイヤーで繋がれていたので、あまりミステイクが起きないような状況ではありました。ですが、銃弾の効果による多くのダメージは実際に起こってしまうので、トリニティー役のキャリー・アン・モスにはたったワンテイクで成功してもらう必要がありました。このセットをもう1度作り直すにはものすごいお金がかかるからです。
"ティム・バートンのコープス・ブライド" のセット
ストップモーションの映画は、滑らかな動き作り出すために、少しずつキャラクターや物を動かしながら何枚も写真を撮っていかなければなりません。この作業をやる人は本当に几帳面な人でないと、シーン全体が台無しになってしまいます。
この写真はセットでの作業風景です。作業がしやすいよう、すべてのキャラクターやセットが非常に小さいのが分かります。動きひとつ間違うだけでシーン全体に影響を与えてしまうため、非常にストレスのかかる作業です。
"スターウォーズ" のイントロ
映画 "スターウォーズ" の冒頭で流れるイントロの文章は、コンピューターで作ったものだと思っていませんか?確かにそうかもしれませんが、昔は実用的な効果にこだわって映画を製作していました。
この写真を見ると、イントロシーンを作るために文字が書かれた巨大な板を使っています。その板をカメラの下で一定の速度で動かしてながら撮影していたようです。
"スターウォーズ" のR2-D2
さて、R2-D2についてはどうでしょうか?誰かがロボットを遠隔操作して、編集作業で声を入れているだけじゃないんですか?いやいや、実はそれだけではないんです。
R2-D2の中には、常に人が入っているんです。この写真では、R2-D2は休憩時間なので中に入っている人が昼食をとっているところを垣間見れます。
"ロード・オブ・ザ・リング" のリング
映画 "ロード・オブ・ザ・リング" シリーズで登場する指輪は、明らかに普通のサイズ感をしています。ですが映画では、指輪を非常に近くで様々な角度から撮影されたテイクが多いのです。指輪なんてただ単にアップで撮ればいいだけでは?
とお思いかもしれませんが、実際には最高のクローズアップシーンを撮るために、こんなに巨大な指輪を使用しているんです。まるで巨人がつける指輪みたいですね。
"マトリックス" のドアノブ撮影の裏側
映画 "マトリックス" には、映像に命を吹き込むための特殊効果がふんだんに盛り込まれていますが、その中でも特に際立っているシーンがこちら。それは、ネオがドアノブに手を伸ばしているシーンで、彼とモーフィアスの姿が映っています。
このシーンは非常に繊細でほんの数秒だったので、どのように撮影されていたのか分からなかった人も多いのではないでしょうか。写真をよく見ると、モーフィアスが着ているのと同じスーツとネクタイをカメラにも被せ、映り方を合わせているだけであることが分かります。
"エイリアン3" のゼノモーフ
毎回同じではないかもしれませんが、映画 "エイリアン" シリーズに登場するゼノモーフは古典的なホラー映画の中でも最恐の効果を発揮しています。"エイリアン3" では、ボラジ・バデヨという俳優がその役を演じていました。
衣装はラテックスという素材でできているので、息をするのも大変だったようです。この写真では、撮影の合間に彼が休憩しているところを写しています。それにしても、エイリアンが身近なところで休んでいる姿は見たくないものです....
"ラビリンス" に登場する無数の手
映画 "ラビリンス" では、垂直になった廊下にサラが落下するシーンがあります。そして廊下から出るたくさんの手が顔のような形になります。彼女はこの手を掴みながら上に戻っていくのですが、これは一体どうやって撮影されたのでしょうか?
この写真を見ると、どうやら本当に断崖を登っていったようです。この無数に出ている手は、ラテックスにペイントを施したもので、ジェーン・グットニックという特殊メイクアップアーティストの手をモデルにしました。とても参考になりそうですね。
"2001年宇宙の旅" の浮かぶペン
宇宙映画の名作 "2001年宇宙の旅" は、宇宙への旅を表現するという点では当時としては最高の出来でした。低重力空間の再現も素晴らしいものでした。
その中でも象徴的なのは、ペンが浮いているシーンです。この効果を出すために、ペンを大きなガラス板にくっつけてそれを回転させることで、あたかもペンが浮いているように見せたのです。
"グランド・ブダペスト・ホテル" の列車シーン
映画では列車に乗っているシーンを撮影する方法はたくさんあります。まず一番わかりやすいのは、文字通り電車の中で撮影する方法です。他にもグリーンスクリーンを使って、スタジオで本物の電車に乗っているかのように撮影する方法もあります。
しかし、ウェス・アンダーソン監督は、そのどちらでもないより画期的な方法を選択しました。彼は最小限の材料で電車のレプリカを作り、それを台車に取り付け役者さんに乗ってもらい、台車を動かすことで、電車に乗っているかのようなシーンを撮影したのです。
"ジェームズボンド ゴールドフィンガー" のレーザーシーン
映画 "007 ゴールドフィンガー" のこの有名なシーンには、何か特殊な効果を使っているんじゃないかと思うでしょう。実はそうではなく、もう少し現実的な方法を選んだようです。
この映画は1964年に製作されたものなので、こっちの方が簡単だったのかもしれません。レーザーがゆっくりとショーン・コネリーに向かってくると、彼はかなり不安げな表情を浮かべたそうです。実はこのレーザーは溶接にも使われるアセチレンガスを使用しており、実際に金属を切ったり溶かしたりすることもできる威力を持っていたため彼が本気で怖がっていたのです。
1979年に撮影された映画 "マペット" の裏側
ごく当たり前のことを言っているのは承知ですが、"マペット" は映画だけでなく、テレビシリーズでもパペットを使う必要がありました。ですがどんなカメラワークや工夫をこらして撮影されているかは、知っている人は少ないのではないでしょうか。
この写真は、まさにそれを示すものです。マペットたちが上でワチャワチャと動いている間、人形師たちは小さな溝に隠れ、カメラに写り込まないよう下からパペットを操っていたのです。
"ミクロキッズ" のセット
今回の記事で紹介した大掛かりなセットやアニマトロニクスに感銘を受けた方は、往年の名作映画がどのように撮影されたかを知ればもっと驚くはずです。
映画 "ミクロキッズ" では、子供たちが小さくなってしまう世界観ををリアルに表現するために、日常的なものを巨大にしたセットを作る必要がありました。ここでは、巨大なミツバチのシーンがどのように撮影されたかを見ることができます。
"スターウォーズ" のデス・スター
模型を使って命を吹き込まれた巨大な構造物は宇宙船だけだと思っていたら、ぜひ考え直していただきたいです。大きな構造物を作るには、それ用のCGを大量に作成するよりも、小さな模型を作った方がずっと簡単なのです。
映画に登場するデス・スターも大きな構造物ですが、実際には小さな模型を使用しています。このような模型を使うことで、頭でイメージしながらCGを駆使するよりも、撮影アングルなどを正確に把握することができるのです。
"レイズ・ザ・タイタニック" で使用された模型
映画 "レイズ・ザ・タイタニック " では、船の中でしか見つからない "ある物質" を探し出すため、専門家チームがタイタニック号を海底から引き上げようとします。
この写真では、潜水士が17メートルある船の模型を所定の位置に移動させている様子が写っています。"スターウォーズ" などのレプリカとは異なり、ある程度大きな模型を使用しているため、所定の位置まで人力で引っ張る必要があったのです。
"インディペンデンスデイ" の爆発シーン
この映画でも多くのCGが使用されていましたが、それだけではなく多くの実用的な効果も使われました。約80%が模型で、残りの20%が特殊効果だったのです。
このシーンは、模型と本物の火を使って撮影し、編集でCGを追加しています。こんな壮大な撮影がおこなわれ、それがスクリーン上で大迫力なシーンとなるのは本当に鳥肌が立つほどカッコイイですね。
”トゥルーライズ" のヘリコプターシーン
映画 "トゥルーライズ" では、女性が飛んでいるヘリコプターにぶら下がるシーンがあります。これは何か効果を使用しているのではく、実際にヘリコプターからぶら下がって撮影されたそうです。
この映画のために、アメリカ政府は海兵隊のハリアー・ヘリコプター3機とパイロットを提供してくれました。レンタル料と作業料として100,736ドルを請求されたそうですが...
"ジョーズ" のサメ
映画 "ジョーズ" に出てくるサメはただのサメではないことは明らかです。本物のホホジロザメにしてはあまりにも凶暴で、しかも大きすぎる。そして本物のサメを使うよりも、消火器で偽物のサメを爆破する方が簡単です。
そこで、ジョーズをアニマトロニクス化しました。木や金属のパーツを使い、エンジンで動きをつけることで、20世紀末の最恐モンスターを作り上げることができたのです。
”インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説" での墜落シーン
映画 "インディ・ジョーンズ " には、ハチャメチャなスタントやアクション満載の冒険シーンがたくさん盛り込まれています。しかし、すべてを実物を使って撮影することは不可能ですよね。飛行機を墜落させるということに関しては、絶対にできません。
それにかかるコストと危険性を考えると、とても予算が足りません。そこで、電子システムを使って飛行機の模型を操作し、セットに墜落させたのです。カメラマンを台車に乗せて移動させることで、完璧なアングルで撮影することができました。